※本記事は、あくまで私という一個人の視点によるコラムです。
多少の主観や乱文・駄文はご容赦いただければ幸いです。また、当記事掲載の画像はすべてAI生成画像となります。2025.5月某日
目次
はじめに:「インスタ美女はAIか?」
↑画像はイメージですが、スクロールしているとふと目に留まる、水着姿の完璧な美女。 くびれすぎているウエスト、滑らかすぎる肌、無表情なのにどこか印象に残る顔立ち。
思わず指が止まり、「これ、本当に人間ですか?」と疑いたくなる瞬間があります。
実際、SNSを見ていて「この顔、前にも見たことがある気がするなー」と思った経験はありませんか?
別のアカウントにもかかわらず“同じ顔”が使われている──それが偶然の類似ではなく、AIによる生成顔である可能性も今では十分に考えられます。
もちろん、すべてが加工というわけではありません。 美容技術や撮影・補正の進化、さらにはトレーニングや整形の成果── しかし、その“完璧すぎる非現実感”は、AIが作ったバーチャルモデルと遜色ないレベルに到達しつつあります。
そして今、その逆の発想も出てきております。 「体はリアル、顔だけAI」。 果たしてそれは、どこまで現実で、どこまで虚構なのでしょうか──
SNS時代の美の基準と“AI的”ルック
SNSが日常に溶け込んだ今、美の基準も進化しました。 かつてはファッション誌やテレビに出るモデルが「美の象徴」でしたが、今や誰もがモデルであり、発信者です。
中でも、特にインフルエンサー文化の盛んな海外では、身体のシルエットや造形を際立たせた投稿が多く見られ、「これはAIなんじゃ?」と話題になることもしばしば。
整形やフィルター、AIレタッチといった多層的な加工技術が、まさに“AI生成風”のビジュアルを実現しています。
実在の肉体 × AIの顔:ハイブリッド演者の可能性
そんな中、逆転の発想とも言えるのが「顔だけAI、身体はリアル」というスタイルです。 これは単なるフェイクではなく、“パフォーマンス技術としての活用”の可能性を秘めております。
企業で働く女性社員が、承諾の上で首から下のボディを素材提供し、顔は完全にAIで生成。
こうすることで、演技や動作のリアリティは生身の人間に担保されつつ、AI顔によってキャラクター性や匿名性が確保できます。AI技術だけではまだ難しい“人間的な身体表現”も実現可能となります。
実際、動画生成AIの進化は目覚ましいものがありますが、それでもなお、実在の俳優が持つような繊細な感情表現や、演技における“間”や呼吸感、身体のニュアンスまでは再現が難しいのが現状です。
そのため、人間が演じる肉体を活かしつつ、顔だけをAIで差し替えるというアプローチは、技術の現実性と演出の自由度を両立させる現実解とも言えるのではないかと。
肖像権・契約問題のクリアと倫理的課題
通常、ディープフェイクやAI合成は肖像権の問題と強く結びつきますが、この手法ではモデル本人の明確な承諾と契約が前提となるため、法的リスクは比較的クリアにすることが可能です。
ただし倫理的側面は依然として議論の余地があります。 特に日本では、過去のアイコラ文化やアダルト領域との結びつきから「ディープフェイク=悪」ないし、「ディープフェイク=犯罪」と捉えられがちで、市民権を得るには時間がかかる可能性が高いです。
実はすでに始まっている? 水面下のプロジェクト
ハイブリッド手法は既にどこかで始まっている可能性が高いです。 特に、メタバースやAI接客キャラクターの延長線上で、「リアルな身体とAIの顔を組み合わせた演者」は試されていても不思議ではありません。
実際に、過去には中国企業によって「バーチャルヒューマン」が企業に“入社”するというニュースもございました。 たとえばアリババ傘下の企業に採用されたバーチャルヒューマン社員「Ayayi(アヤイ)」は、リアルなビジュアルと存在感で注目を集めました。
また、アジア初のバーチャルヒューマンとして知られる『imma(イマ)』は、CGでつくられた実在しないモデルでありながら、広告やイベント出演などでリアルなモデルと同様に活躍しております。開発元は日本の会社「Aww」であり、その存在は“人間そっくりの存在”が既に社会の中で受け入れられ始めている証とも言えるでしょう。
こうした事例は、すでに“人間そっくりの存在”をマーケティングやブランド戦略に活用する動きが始まっている証拠でもあります。
VTuberの次は“AITuber”?
VTuberが一時期ブームとなった日本。 その流れを受け、「AITuber」的な存在も話題に上がったことはありますが、メタバースの浸透の弱さや倫理的なハードルの高さもあり、まだ一般的には広がっておりません。
しかし、今後は企業単位で“クローズドに完結するコンテンツ”として採用されるケースが出てくるかもしれません。 たとえば、広告、商品紹介、社内PRなど、外部からの評価を気にせず展開できる分野での実用性は高いと考えられます。
終わりに:フィクションとリアルの“間”を生きる存在
顔はAI、身体は人間── それは単なる技術トリックではなく、「リアルとフィクションの境界線」を柔らかく撹乱する存在です。
現代社会における美意識や表現のあり方、そして労働や役割の概念すらも問い直すような、新しい演者像として注目される可能性があるのではないかと。
ハイブリッド演者は、もしかすると“次の時代の俳優”なのかもしれません。
誇張や脚色のない、一個人としての率直な見解ですが──
たとえば、どこかの企業が契約を締結した実在の人物を起用してこの取り組みを進めることができれば、煩雑な権利関係の問題はかなりクリアされるのではないかと感じてます。
あとは、倫理的な視点と社会的な市民権の獲得が課題として残る程度ではないか……というのが、今のところの率直な所感です。
もちろん、開発サイドからすれば「そんなに単純な話ではない。〇〇のような技術的・制度的課題も存在する」という現実があることも、十分に理解しているつもりです。(つもりではあります)
私は映画やドラマの世界が本当に好きで、人の演技がもたらす感動を信じています。決して、AIやバーチャル技術で「俳優を置き換えられれば」と、代替観点で考えているわけではありません。
ただ、この領域に触れていく中で、「新しい表現の可能性が見えてきた」という実感があるというか、そのリアリティを、ひとつの視点として残しておきたくて書いた、そんなコラムです。
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AI女優は“顔だけ”?
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— 木村修也【ChatGPT ✖ 最新AI情報】 (@syuyakimura) May 23, 2025